日常臨床で呼吸数を測定しよう
- 長嶺敬彦
- 2020年3月20日
- 読了時間: 2分
体温、血圧、脈拍、呼吸数の4つの古典的バイタルサインは、全身状態を評価するのに重要です。呼吸数は病態の急変を予測する因子として優れています。qSOFA(quick Sequential Organ Failure Assessment), NEWS(National Early Warning Score), APACHE(Acute Physiology and Chronic Health Evaluation),CURB-65(assessment of severity of pneumonia by the British Thoracic Society)など、呼吸数は病態の重症度評価に必ずと言っていいほど採用されています。しかし日常臨床で呼吸数の測定は省略されることが多いです。最近、この臨床疑問に対して三光舎所属の高山厚先生が臨床データを取り、論文発表しています1)2)。詳細は論文を見ていただくとして、呼吸数測定の1分間法、15秒測定での4倍する方法、1回の呼吸時間を測定して算出する方法のそれぞれのメリット、デメリットを詳細に研究しています。
また慢性疾患の管理中の高齢者の呼吸数に関しても、年齢と呼吸数の関係は分かっていませんでした。慢性疾患で安定している患者さんを対象とした高山先生の研究で、さまざまな交絡因子を検討しても、高齢者では呼吸数が軽度上昇することが示されています3)。
これらの特徴を理解して、日常臨床で呼吸数を測定して病態の変化に早期に気づくようにするのはどうでしょうか。呼吸数の変化は重要な情報です。呼吸は重要な生理機能であるので、日常診療では酸素飽和度だけでなく、呼吸数を測定すると良いでしょう。
文献
Takayama A, Takeshima T, Nakashima Y, Yoshidomi T, Nagamine T, Kotani K. A Comparison of Methods to Count Breathing Frequency. Respir Care. 2019 May;64(5):555-563.
Takayama A, Nagamine T, Kotani K. Contrasting characters of quick methods to measure respiratory rate in a clinical setting. Clin Respir J. 2020 Mar 18. doi: 10.1111/crj.13187. [Epub ahead of print]
Takayama A, Nagamine T, Kotani K. Aging is independently associated with an increasing normal respiratory rate among an older adult population in a clinical setting: A cross-sectional study. Geriatr Gerontol Int. 2019 Nov;19(11):1179-1183.
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